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~蜜の音、甘い声~【R18】

第1章 ~初夜の声は、さらすもの。~




それからすぐに私は仕事を辞め、
いわゆる花嫁修業をして過ごした。

今までずっと実家暮らしで
家のことは母に甘えっぱなしだったから。

そして、この町で、私の親戚と、
私達二人の友人を招いた
小さなパーティーを開いて
それを結婚披露宴とし、

その二日後、
母や地元の友人に見送られながら
私は孝一さんと二人で、
孝一さんの故郷へと出発した。

新幹線。どんどん遠くなっていく故郷。
ほとんどこの街から出たことのない私。
誰も知らない街での暮らしに、不安が募る。

いつの間にか無口になっていたらしい私を
励ますように、孝一さんが言う。

「不安だよね。
でも、僕がいるから。
それに僕の母も、全然知らない土地から
何も知らない状態で嫁いできた人だから、
きっとはるかの気持ちを理解してくれるよ。」

ギュッと握ってくれた手を握り返す。

そうだ。
私は孝一さんと生きて行くって決めたんだ。
これからは、孝一さんの家族が私の家族。

自分の人生をかけて愛すると決めた人との
新しい暮らし。


もう後戻りは出来ない。



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