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~蜜の音、甘い声~【R18】

第2章 ~ダメな、蜜~



優介とは…大学で出会った。

同じ学年だったけど学部が違ったから
それまでは全然知らなかったんだけど
3年の夏休み、
サークル仲間とキャンプに行った時に
友達の友達…みたいな感じで来たのが
優介で。

明るくて優しくて、面倒見がよくて、
あっという間にメンバーに溶け込んでた。

その頃は本当に、よく遊ぶ仲間の一人
…という程度の間柄だったんだけど、

彼は卒業と同時に社会人になった。

そして私は、教員採用試験に合格できず、
講師として学校で働きながら
試験勉強を続けることになり、

卒業して最初の夏、
そのサークルのメンバーが
「久しぶりに集まって飲もうぜ!」と
誘ってくれた席で、優介と再会した。

仕事帰りだという優介の
ワイシャツにネクタイ姿がなんだか新鮮で、
というか
一足先に社会人になって頑張っているんだな、
と思うと、まだちゃんと教員になれていない
自分にちょっと引け目を感じて
話しかけられずにいた。

そしたら、しばらくして
優介が、私の隣にグラスを持ってやってきて。

「久しぶり!がんばってる?」
「…うん、まあね。
でも仕事にもなかなか慣れないのに
帰ってから勉強するのも結構、大変。」

…なんてつい愚痴をこぼしてしまった私に

「コラコラ!生徒に宿題出す立場の人間が
そんなこと言ったらダメじゃん!
大学入試でうまくいかない生徒の気持ちとか
よくわかってあげられるんじゃないの?
何事も、経験、経験。」

そういって笑って励ましてくれて、
その時初めて、優介をちょっと意識した。

「気分転換に飲みに行きたい時とかさ、
いつでも俺、つきあうよ。愚痴も聞く。」

そうやって

「はい。私、こういう者でございます。」

と、ふざけて差し出してくれた名刺に
自分の携帯番号とメルアドを書いてくれて…

その仕草も、なんだか社会人ぽくて
かっこいいな、って思ったりして…

それから、
時々二人で出かけるようになった。

二人で出かけた何回目かのドライブの時、

「ねぇ、これってデートかな?」って言われて
「え?どうだろ?」って答えたら

「俺は、デートって思いたいんだけど。
最初にキャンプで会った時からはるかのこと
かわいいな、って気になってた」と告白され、

その日の帰り際に
車の中でキスをしたのをきっかけに
私達は、つきあうようになった。



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