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~蜜の音、甘い声~【R18】

第1章 ~初夜の声は、さらすもの。~



「はるかさんも、山小屋の場所くらいは
知っておいたほうがいい。
今日は一緒に来なさい。」

朝食の席でお義父様にそう言われ、
私も、山に同行することになった。

初めて乗るトラックで、山道を揺られる。

仕事は男の人たちがするけど
女性も、お弁当を届けたり
小屋の掃除などで来ることがある…
そうお義母様がおっしゃっていたから

私も一人で運転して来られるように
必死で道を覚えようとした。

…案外、簡単だった。道、といっても
ほぼ一本道。ただ、悪路に近いから
道を覚えるより運転技術の方が大事かも。

預かったお昼ごはんをしっかり抱きしめ、
ようやく到着した現場では
すでに、おじい様や弟たちが
仕事をしていた。

宮大工、と聞いていたけれど、
孝一さんの家は代々、それだけでなく、
お宮の工事で使う立派な木を育てる
山師でもあるそうで、

男性陣は
軽々と急な斜面をのぼったり
大きな木を切ったり…と、
とても頼もしい働きぶりだった。

…ゆうべのことを思い出す。
みんな、とても体つきがよかったのは
こういう仕事をしているから、なのね…

いけない。
私ったら、皆さん、真剣にお仕事中なのに
余計な事を考えてしまった。

ひとしきり、
仕事の話をきかせてもらったところで
私は先に、お昼の準備をすることにした。

おばあ様とお義母様が持たせてくださった
重箱のお弁当、お茶とお味噌汁もある。

「お昼の準備が出来ました!」

私が声をかけると、みんなが集まってくる。

青空の下、家族で弁当を囲む。
仕事の現場とはいえ、とても気持ちがよく
すっかり私も家族の一員になった気分だった。

食事が終わり、それぞれがまた
持ち場に戻っていく後ろ姿を見送り、
私は後かたずけを。

「はるかさん、そこにおるか?」

山小屋の中からお義父様の声がする。

「はい、今行きます!」

慣れない足元。
転ばないように気を付けながら
山小屋の扉を開けると、
薄暗い中に、お義父様がいる。

「ちょっとこっちへ来なさい。」

「はい…」

なんとなく、予感。
だから、聞いた。

「扉、鍵、した方がいいですか?」

「いや、いい。別にやましいことを
するわけでもあるまいし。」

あ、そうなのか…
ここで抱かれるのかと思ってしまった。
私、考えすぎ…
いやだ、本当に、恥ずかしい。




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