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~蜜の音、甘い声~【R18】

第1章 ~初夜の声は、さらすもの。~



さすがに実家にいた頃みたいにゆっくり…
とまではいかないけれど、
身体が温まったところで風呂を出る。

着替えようとして、はっとした。

タオルと白い浴衣が
カゴに入れてあるけれど
下着が、ない。

ああ、そうか…
まだ、荷物を開けていない。
実家だったら、「おか~さ~ん」と
声をあげて持ってきてもらうのに…
私ったら、うっかりして。

しょうがないので、とりあえず
裸の上に浴衣を羽織った。
 
脱衣所を出たら
すぐに取りに行くことにして
まずはドライヤーをかけようと鏡の前に立つ。

あ…
白い浴衣。
うっすらと、乳首と陰毛が透けている。
いやだ…なんて恥ずかしい姿…
急いで下着をつけないと。
トランクはどこにあるかしら…
もし、
皆さんが集まっているお部屋だったら…

その時は、孝一さんにお願いして
トランクごと
ここにもってきてもらうしかない…

脱衣所の扉をそっと開くと
ちょうど孝一さんが扉の前にいる。

「あ、孝一さん、お願いが…」
「なに?」
「私、下着をトランクに入れたままで…
申し訳ないですけど、トランクをここに…」

浴衣姿の孝一さんが、ニッコリと笑う。

「下着なんか、つけなくていいよ。
今夜ははるかと僕の初夜だ。
どうせすぐ脱がせるんだし、
いらない、いらない。」

「…そう、ですか?」

「そうだよ。さ、床が準備してある。
あの部屋で、待ってて。」

廊下の突き当りのふすまを指さす、孝一さん。

「でも、あの、皆様に
おやすみなさいのご挨拶を…」

「それはまた、後でいいから。
みんな、わかってるよ。」

お風呂からあがってすぐに抱かれることを
皆さんがご存じだとしたら…
それはそれでとても恥ずかしいのだけれど。

「何を言ってるんだい。
これからこの家で暮らすんだ。
新婚の夫婦が抱き合わない方がおかしいだろ?
実家で暮らすというのはそういうことだって
みんな、経験してるからわかってるよ。」

孝一さんの優しい笑顔を見ていると、
変に考えすぎている私の方が
もしかしたらハレンチでおかしいのかしら、と
そんな気がしてくる。

「わかりました…
じゃ、私、あちらで待ってればいいんですね?」

「そう。僕も、すぐに行く。」

浴衣に直接触れて擦れる胸と
スースーする股の感覚が勝手悪いまま、

私はその部屋のふすまを開けた。








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