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~蜜の音、甘い声~【R18】

第1章 ~初夜の声は、さらすもの。~



「お客人も今日はもうおしまいじゃろ。
そろそろ片づけてもいい頃じゃないかね?」

おじい様の一声で、
宴席の片づけが始まる。

私も、着物の上から白い割烹着をかぶり
おばあ様やお義母と並んで台所に立って
あれこれお話しながら
洗い物などのお手伝いをしていると
すっかり“嫁”になった気分…

「三人でやると、
あっという間に終わるものね!
はるかさん、
うちに嫁いでくれて本当に嬉しいわ。」
「どれ、一息つきましょか。」
「あ、私、お茶、煎れます!」

女性三人で台所のテーブルに座り、
何気ない話をしていると
風呂上りらしい孝一さんが顔を出した。

「お、すっかりお嫁さんの顔をしてるね!
はるか、お風呂があいたから入っておいで。」

「あ、はい。
でも私はおばあ様たちの後でいいです…」

「遠慮しないでええのよ。」
「そうそう、今日は一日、疲れたでしょう?
ゆっくり湯船に浸かって、
体をほぐしていらっしゃい。」

おばあ様とお義母様の心遣いに甘えて
とりあえず、
先にお風呂に入らせて頂くことにした。

「着替えとタオルは、
脱衣所に準備してあるから。」

「はい、ありがとうございます。」

お風呂場は古いけど清潔で、
老舗旅館…の雰囲気。
大きな湯船にたっぷりとお湯が張ってある。

手桶でお湯をかぶり、
石鹸を手にしてふと思った。

今夜こそ、初夜だ。
恥ずかしいけど、私の身体のあちこちを
孝一さんに触れてもらう。
初めては痛いってみんな言うけど、
私、耐えられるかしら。
ここ、ご実家だから…
悲鳴なんか出さないように気を付けないと。

あぁ…既に恥ずかしい。
でも、そんなことを言っている場合じゃない。
孝一さんががっかりしないように、
丁寧にあちこちに石鹸の泡をこすりつけ
洗えるところは丁寧に洗った。



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