第20章 桜舞う 秀吉ルート
日が変わった頃
秀吉は飛鳥を誘い桜の回りを歩いていた
『寒くないか?』
「うん!大丈夫!」
花魁姿の飛鳥と手を繋ぎゆっくり歩きながら桜を見る
「キレイだね…」
見上げる飛鳥を見つめる
(お前の方がキレイだけどな…)
少し着崩した様な花魁姿
きっと飛鳥が居た時代に伝わってる姿なんだろう
『飛鳥?なんで花魁なんかなろうとしたんだ?その…花魁の仕事は知っているだろ?』
遊郭で男の相手をする花魁
もちろんこの世に必要な仕事ではある
だが、まさか飛鳥の花魁姿が見れるとは思っていなかった。
「もちろん知ってたよ。でも…現代ではね、もう花魁はいないし、そもそも着物を着ることも滅多いないから…着てみたかった!ってのが理由かな?」
秀吉を見つめながら話す飛鳥はまるで本物の花魁かの様に妖艶で纏わりつく色気が凄い
手を繋いで居るだけなのに、もうそこから逃げ出せない様な感覚
まるで自分が蜘蛛の巣に引っかかった獲物の様な…
(やばいな…これは、理性が保つのか?)
間違いなく外でなければ押し倒してるであろう…
そんな事を考えながら飛鳥を見つめていると、急に顔を赤くして俯く
「秀吉さん…見過ぎだよ…なんか今更恥ずかしい…」
飛鳥から見れば、秀吉もまたいつもの表情ではなく、その目は熱を帯びていた
『んー?飛鳥があまりにもキレイだからな…こりゃ心配が尽きないな…』
飛鳥の頭に疑問符がつく
『こんな姿皆んなに見せて…煽って…。誰かに奪われないか…』
「っ!煽ってなんか…」
そう言いかける飛鳥の顎を掬い
『十分煽ってる…』
口付けを落とす
少しづつ激しくなり舌を絡ませる
飛鳥が息をする暇も与えないほどに…
脚が身体を支えられなくなるのを悟って唇を離す
「んっ…はぁ…はぁ…」
瞳は潤んでついさっきまで繋がってた唇は艶めいている
『ほぉーら…煽ってる…』
「それは…秀吉さんが、口付けするから…」
そう言って胸に顔を埋めてくる
『嫌だったか?』
飛鳥はふるふると首を振る
「嫌じゃないよ…」
優しく見つめて
『今度は俺だけに見せろよ』
そう言ってキツく抱き締めた秀吉であった…
完