第19章 桜舞う 信長ルート
見つめ合うと飛鳥の背中に何かが覆い被さる
「きゃっ!まっ、政宗?」
背中に被さって来た政宗はそのまま飛鳥の首筋に顔を埋める
「んっ…」
一瞬身体を跳ねさせる飛鳥に政宗が
『飛鳥、お前キレイだなぁ…おれにょ…嫁に…なりぇ…』
その様を真横で見ていた信長は政宗を引っぺがす
『貴様は…誰の物に言うておる』
そう言って政宗の顔を見ると…
(誰だ…此奴に酒を飲ませたのは…)
酔っ払い真っ赤になった顔、既に意識を手放す寸前だった
「ちょっ!政宗、お酒飲んじゃったの⁈」
そんな飛鳥の呼びかけにも応答せずその場に横たわる
『ふっ…はっはっはっはっ!』
信長は笑いが込み上げ、声を出して笑う
それは政宗に嫉妬した自分に対して…
(飛鳥の事になると…ワシとした事が…)
なおも笑いが止まらぬ信長の声に周りの武将達が気付く
飛鳥の後ろで伸びている政宗を見つけ慌てて秀吉が駆け寄る
『政宗!お前呑んだのか⁈』
信長はまだ笑いが止まらぬまま
『此奴がワシの飛鳥に嫁になれと…ふっ…』
笑いを堪え切れない信長はストレートに飛鳥を自分のものだと主張する…
その言葉に秀吉が顔を真っ赤にして
『政宗!ほら!行くぞ!』
意識のない政宗を引きずって連れて行く
その様を遠くで見ていた光秀が笑う
(光秀め…あやつが呑ませたのだな…)
信長が必死に笑いを止め乱れた飛鳥の髪を整える
飛鳥は猫の様に信長に擦り寄る
『飛鳥…ワシを煽っておるのか?』
そう言った信長の肩に飛鳥がもたれかかってくる
返事のない飛鳥の顔を覗くと
満足そうに微笑みながらスヤスヤ寝息を立てていた
(ふっ…煽ったワシを放置して寝ておるのか…後で覚えておれよ…)
眠る飛鳥を横抱きにして席に戻ると周りの目など気にせず自分の膝に乗せ、頬を撫でながらまた酒を煽る…
(城に戻ったら、存分に愛でてやろう…)
完