第17章 桜舞う
そこには豪華な着物を身に纏い、キレイに化粧を施された花魁姿の飛鳥
家臣から歓声が上がる
飛鳥は徳利を持ちその場にいる一人一人にお酌して回る
「楽しんで頂いてますか?」
「準備お手伝いして頂いてありがとう御座いました」
「飲み過ぎないように」
声を掛けながら回る
もちろん武将達にもお酌をする
「信長様、今日はありがとう御座いました」
格好にそぐわない様に静々とお酌する
『飛鳥…今宵ワシと夜伽をするか?』
かぁっと頬を染めて
「っ!遠慮…しておきます!」
と慌てて立ち上がる
光秀の元へ行きお酌をする
「光秀さん、大道芸ありがとう御座いました。凄く楽しかったです」
くっくっくっと笑いながら
『馬子にも衣装だな』
眉間にしわを寄せて口を尖らせる
「あっ!酷い!」
その隣に向き直って秀吉にもお酌をする
「秀吉さん、お願い聞いてくれてありがとう!凄くキレイだよ」
うっとり桜を見上げると、頬を赤くした秀吉は
『飛鳥の方が桜よりキレイだぞ』
そう言って結ってる髪が崩れない様に頭ではなく頬を撫でる
家康の隣に移動し、お酌をする
「家康、お花見に来てくれてありがとね。ちょっと来てくれないかと思ってた…」
天邪鬼とわかっていてもそんな事を思ってたと素直に口にする
『別に…でも、それいいんじゃない』
家康からは聞けそうもない言葉に素直に喜ぶ
政宗と三成にはお茶を…
「政宗、お料理ありがとね…」
飛鳥の変わり様に政宗は思わず本音がでる
『飛鳥…凄くキレイだ…』
飛鳥は頬を染めて
「ありがとう」
と呟く
「三成くん、書物ありがとう。あと内緒にしてくれてありがとう。」
飛鳥のサプライズを内緒にしてくれていた三成に感謝を述べる
『いえ…いつもの飛鳥様は可愛らしいですが、今の飛鳥様は本当お美しいです』
一人一人にお酌をし終えると信長の前に座りある物をだす
「信長様、これを」
差し出された物は金平糖
城下に行って買って来たのだ
「こんな私を安土に置いてくださってありがとうございます。」