第17章 桜舞う
ここに来てからの事を思い出す
本能寺で信長を助けた事できっと歴史は変わってしまっただろう
現代がどんな影響を受けているかはわからない
だからそれを償う様にこの戦国時代で一生懸命自分にできる事をやっていこう
助けてくれた人達に恩返しをしていこう
そんな事を考える
物思いにふける飛鳥に信長は一粒口に入れてから、もう一粒取って飛鳥の口に入れる
『褒美だ』
口の中に甘さが広がる
ニコッと微笑んで甘さを堪能する
現代に残して来た人達の事を考えないわけではない
でも、自分のいる場所はここだと思った
そう思いながら皆んなとお酒を呑む
すると今までとは違った音楽が鳴りだす
飛鳥はスッと立ち上がりその音楽の輪に加わる
それぞれが飛鳥も見やる
現代で日本舞踊を習っていた飛鳥
扇子を手に舞を舞う。
提灯のほのかな明るさと、その妖艶な仕草で舞う飛鳥に誰もが魅了される
『ほう…これは…』
信長すら見惚れるほどであった
ザァ…っと風が吹く
桜が舞う
その中で踊る飛鳥
まるで天女の様だった
踊り終わると一礼する
一斉に拍手が湧き起こる
恥ずかしそうに席に戻る飛鳥はお酒を手に取りグッと飲み干す
「あぁ…恥ずかしかった…」
思い思いに楽しみながらのお花見のはまたまだ続くのであった