第17章 桜舞う
書庫の片付けを手伝うと三成が丁寧に頭を下げる
『飛鳥様ありがとうございました。ぶつかってしまったのに書物の片付けまで手伝って頂いて…』
「いやいや!前見てなかったのは私だし!これくらいなんて事ないもん」
綺麗になった書庫を眺めた満足そうに頷く
そこに秀吉が現れる
『飛鳥ここに居たのか…夕餉だから部屋に呼びに行ったのに居ないから心配したぞ』
三成と片付けをして居たら随分没頭して居たらしい。
外に出ると空は茜色に染まっていた
「秀吉さん!ごめんなさい、三成くんと片付けしてたら…こんな時間になっちゃってたんだ」
三人で外に出で広間に向かう
席に着き夕餉を食べ始めると信長が花見の事を伝える
『貴様ら、花見をするぞ』
そう言うと一斉に信長を見つめる
だがその先は言わず飛鳥にそっと目配せする。
「あのっ、もうすぐ桜も満開になるのでお花見をしたいなぁって。私から提案したんです。皆んなも今落ち着いてると思うし、外でご飯食べると美味しいんですよ!」
少し早口になりながら満面の笑みで伝える
『花見か…だからいつ満開になるか聞いてきたのか?』
飛鳥の口に付いている米粒を取りながら言う秀吉
『それじゃぁ、俺が腕によりを掛けて料理を作らなくちゃだな!』
腕まくりをする仕草でニカッと笑う政宗
『お花見ですか!宜しいですね!楽しみです!』
エンジェルスマイルで見つめる三成
光秀はクックックと喉を鳴らしながら笑う
「あの…家康は間に合うかな?」
家康は国に戻っていて安土城には今はいない
『家康なら文が届いて明後日には安土に着くと書いてあったぞ』
心配するなと言わんばかりに飛鳥の頭を撫でる秀吉を見上げ
「めんどくさい…って言われそう」
と、クスリと飛鳥は笑う
『確かに…あいつなら言い兼ねないな』
豪快に政宗は笑った
飛鳥はその日を待ち遠しく思った