第17章 桜舞う
「信長様、飛鳥です」
『入れ』
一礼して部屋に入り、信長の前に座る
『貴様がここに来るとは珍しい。どうした。』
滅多なことでは入らない信長の部屋
絢爛豪華で南蛮の物がたくさん飾られてある
「あっ、あの…お花見をしたいなぁって思いまして…」
遠慮がちに伝える飛鳥に信長は向きなおると
『花見か…貴様はまた、面白い事を言うな』
口調とは裏腹に少し微笑みながら言う信長
「はい!もう少しで満開になるって秀吉さんが教えてくれて…皆んなでいけたらなぁーって」
その言葉を聞き少し考えると
『良かろう。夕餉の時皆に伝えよう』
承諾してくれた信長に満面の笑みを向けて喜ぶ
「はい!ありがとうございます!」
天守を後にした飛鳥を思い少し頬を緩める
飛鳥がこの時代に来てもうすぐで1年になろうとしていた
出会った時の事を思い返しニヤっと笑い政務に戻る
了承してもらいウキウキしながら天守から戻る飛鳥と両手にいっぱい書物を抱えた三成が出会い頭にぶつかる
「ふぎゃっ!」
『わっ!』
お互い尻餅をつき、書物が散らばる
「いたたたっ…ごっ、ごめんなさい!」
鼻を押さえる飛鳥とお尻を摩る三成
『申し訳ありません飛鳥様!お怪我はございませんか⁈』
慌てて三成が駆け寄る。
「大丈夫だよっ!ごめんね!前見てなくて!」
二人で床に落ちた書物を拾い、そのまま車庫まで片付けるのを手伝う