第2章 Important person〜忍び寄る影
飛鳥は気を取り直して反物屋さんへ行く
『おっ!飛鳥様、今日はどんな物をお探しですかね?』
馴染みになるほどここに通う飛鳥は店主とも仲良しだ
「今日は政宗に合う反物を探しに来てるんです。んー青い色がいいかなぁー」
『ゆっくり見ていってくだされ』
色とりどりの反物を前に目をキラキラされて見入る飛鳥
ある反物に目が止まる。
少し濃い青からグラデーションになってる反物
「あっ、これ政宗に合うかも」
『それにしますかね?』
凄く似合うと思うが政宗に確認もしなければいけないので、取り置きしてもらう事に
「確認してからでもいいですか?取り置いてもらうのは申し訳ないんですけど…」
『いやいや、もちろんいいですよ。あっ、もし宜しければ飛鳥様にこれを…』
渡されたのは可愛らしい小さな巾着
「えっ?これは?」
『飛鳥様に似合うと思って妻が作ったんですよ。良かったら貰ってやってください』
「いいんですか?とっても可愛い…ありがとうございます」
可愛らしい巾着を帯に結んでお店を出る
城下町を少し外れた、いつも行く甘味屋さん。
林の小道の先にある甘味屋さんだかとても美味しいみたらし団子があって飛鳥のお気に入りだ
お店に着くといつものみたらし団子を頼みホッと一息つく。
「はぁ…いっぱい歩いたなぁー。でも楽しい!お団子美味し〜!」
パクパクお団子を頬張っていると
『飛鳥様、その巾着可愛いですね』
甘味屋の看板娘が声をかける
「これ?さっき反物屋さんで貰ったの!可愛いでしょ?」
『ええ、とっても!今日はこれからどこかへ?』
「んー早く帰ってこいって言われたから食べたら帰るよー!」
そんな他愛もない話をしている飛鳥達を離れた所で見つめている影
飛鳥はその影を知る由もなかった…