第13章 Loved one 信長ルート
『お帰りなさいませ』
宿主はにこやかに出迎え部屋に通す。
部屋には2人分の夕餉が並べてある。
座布団にドサっと座った信長に、少し困惑しながら飛鳥が問う
「あっあの…お城へは戻らないのですか?」
ニヤっと笑い信長は隣の座布団を叩く
『貴様は帰りたいのか?』
叩かれた座布団に座り信長を見上げながら
「いえっ!そんな…事は、ないのですが…」
言いながら下を向く飛鳥を見ると耳まで真っ赤になっている。
『今宵はもう遅い。城へは明日戻る』
ハッと飛鳥が見上げ
「私はどこで休めば…」
並ぶ2人分の夕餉を見やり、赤くなったまま告げると
『何を言っておる。貴様はワシの隣で休むのだ』
思わず褥がある方を見る
そこには1組しか敷かれてない褥
「…っ!そんな…隣でなんてっ!」
当たり前の様に告げる信長に赤くなった顔をさらに赤くした飛鳥の顎を掬い、顔を近づけると
『よもや嫌だとは言わせぬぞ?』
そう言うと目を潤ませながら見つめ
「嫌…ではないです…」
その瞳に吸い込まれそいになるのを必死に抑える
夕餉を2人で食べながらしどろもどろになる飛鳥を見やり、クスリと笑う
今まで数多くの女子と夜を共にしてきた信長だが、これ程までに愛おしさを感じる女子は初めてだった
一つ一つの仕草が可愛らしく、また潤しい…
綺麗に食べ終わるとサッと立ち上がり
『湯殿に行って参る。貴様も行って参れ』
気持ちを悟られない様に部屋を出た…