第13章 Loved one 信長ルート
湯殿にから出て部屋に戻ると寝着に羽織を着て髪を拭いている飛鳥が窓際で身体の熱を冷ましていた。
湯上りで妖艶なその姿に魅力される
『良い湯であっただろう』
飛鳥の隣に腰掛けて信長も涼む
「はい、とっても良い湯でした…」
『飛鳥…酌をせい』
飛鳥にお酌をさせ、一気に飲み干す。
喉を通る酒がいつもより熱く感じる。
酒には強い。
決して酔う事はないが隣の飛鳥を見るとまるで酔ったかのように身体が浮く。
飛鳥がさっと何かを手渡す
「信長様、金平糖を買いに来たのに、御自分のは買わなかったから…それにあの時せっかくお土産に買ったのに…落としてしまって…」
手渡された金平糖の瓶を手にした。
『クッ…貴様はこれを買うのにはぐれたのか…』
昼間の一件を思い出し笑う
「はい…あの時渡せなかったので、どうしても渡したくて…」
潤んだ瞳で信長を見上げる
(これを買うために…あぁ…こやつはワシの心を擽る…)
「信長様…」
見上げたまま、飛鳥は意を決したように告げる
「ずっと…ずっと信長様をお慕いしておりました…」
その瞳には涙が溜まる
『飛鳥…』
「でも…私は汚れた身…」
下を向いた飛鳥の目から涙が溢れる。
『あの時…貴様に言わなかったか?貴様はワシの物だと…』
そう言って頬を包む
『これからも貴様は…ワシの物だ。決して手放したりはしない…』
飛鳥は上を向き、信長と目を合わせる
「信長様…好きです…ずっと、ずっと…好きです」
そっと頬に口付けして飛鳥を見る。
飛鳥はいつものふにゃっとした笑顔を見せる
(手放したりはしない…飛鳥…貴様をこの手から離しはしない)
飛鳥の唇に口付けする
そのまま角度を変え、何度も何度も口付けする。