第13章 Loved one 信長ルート
信馬に乗り飛鳥を待つ
門の前で待つ信長を見つけ飛鳥は駆け行って、馬上の信長を見上げる
『遅い…』
決して遅くはなかったのだが、つい言ってしまう。
「はぁ…はぁ…すいません!」
少し息を乱して飛鳥が頭を下げる
『まぁ良い。乗れ』
手を差し伸べると、その手を取りながら慌てた様子で飛鳥が言う
「馬に乗るとは知らなくて…私、袴を…」
『そんなもの、良い』
飛鳥を横抱きにして、自分の前に乗せて腰に手を回す。
馬の腹を蹴り走り出した。
しばらくすると飛鳥が信長を見上げながら不安げな顔をする。
『どうした』
いつもの様に告げると
「あのっ、家臣も付けずに一体何処へ向かっているのですか?」
『金平糖だ』
「金平糖?」
小競り合いの為に金平糖が城下町で手に入らない事を飛鳥に伝え、それが近隣の町に入ったと報告を受けた事を告げる。
『あれがないと困る。』
「買いに行くのですね」
クスリと笑った飛鳥は、安心した顔をしてまた前を見る。
信長はしばらく飛鳥と言葉を交わしてなかった時のモヤモヤも薄れ、飛鳥の風になびく髪をひと撫でして馬を走らせた。
一刻程走ると小さいながら賑わっている町に出る。
「わぁ…」
飛鳥の目がキラキラする。
町の端の宿に着き馬を預ける。