第11章 loved one 秀吉ルート
二人になると
「秀吉さん、今日はありがとう!いただきます」
そっとお酒を飲む
「呑みやすい…これ美味しい」
ニコニコしながら料理を食べ始める飛鳥を見て秀吉も一杯呑む
(呑みやすいな…だが加減しないと悪酔いする位呑みやすすぎるな…)
そう思いながら二人でお酒と料理を堪能する
食べながら他愛もない話をする
こんな普通の事が秀吉には心底嬉しい
あの日から表情を見せなくなり、口をきかなくなった飛鳥をずっと側で見てきた…
何がきっかけで目の輝きが戻ったかはわからない…
ただきっかけが自分でなかったのだけはわかった。
側に居るだけではダメなのだろう
だが、自分に出来る方は限られて居る。
口付けて、お前が好きだと伝え腕から手離さないでおきたかった。
ただそんな事は叶わず、ひたすら兄として隣にいる事しか出来なかった…
酒を飲み交わしながらそんな事を考えていた…
食事が終わる頃女将が追加の酒と膳を下げにきた
『褥は続きの間に敷いて御座いますので』
そう言って下がって行く
『もう眠いか?』
さっきからお酒を煽る飛鳥を心配して声をかける
「んー?だいじょうぶらよ?」
呂律が怪しい
目もトロンとしてる
(あぁ…酔っ払ってるな?)
飛鳥の手から盃を取る
「あぁー!ヒック…ひでよししゃん…とったぁー」
「かえちてー!」
酔っ払いながら飛鳥が盃を取ろうともたれ掛かってくる
『おい!ダメだって!こぉーら…飛鳥…』
ドサッ
秀吉もまた少しの酒に酔い、バランスを崩し飛鳥が覆いかぶさる様に倒れ込む
(あぁ…やばいな。理性保てなくなる…)