第11章 loved one 秀吉ルート
翌朝
飛鳥を連れて温泉にたつ
『疲れたらちゃんと言えよ?休むからな?』
そう心配しながら前に乗る飛鳥を見つめる
「うん!わかったよ!でも…」
下を向きながら申し訳なさそうに言う
「お仕事休ませちゃったし…」
表情は見えないが気持ちが沈んでいるんだろう
『飛鳥、忘れたか?これは視察も兼ねてだぞ?仕事じゃないか』
そう言って頭を撫でる
『今日は日頃の疲れを癒して目一杯甘えていいからな』
飛鳥の耳が真っ赤になる
「うん!」
納得したように返事をして景色を楽しみながら昼前には宿に着いた
『秀吉様と飛鳥様でいらっしゃいますね?ようこそおいでくださいました』
深々と頭を下げる女将
『早速お部屋へご案内させて頂きます』
新しく建てたばかりの宿は中庭に小さな池があり、紅葉も素晴らしい
部屋に入るとスッキリとした内装だか所々凝っていて落ち着く空間になっている
「うわぁー!秀吉さん!凄い凄い!広ーい!」
童の様にはしゃぎ、あちこち開けて回る飛鳥
そんな姿を微笑みながら見つめる
『ほぉーら!あんまり騒ぐんじゃない。これから町まで視察に行くんだし…』
っと言ったそばから仕切りに躓く
慌てて抱きとめる
「昨日も秀吉さんに助けて貰っちゃったね…ごめんね」
えへへと笑って謝る飛鳥
『俺は あ で始まるし言葉の方が好きなんだけどな?』
ニコっと笑い起こしてやると
ふにゃふにゃしながら
「ありがとう」
と…
(あぁ…この笑顔にいつも癒されてるな…飛鳥は俺の事兄としか思ってないだろうけど…それでも、それでも今は一人の男として…)
そう思いながら手を取ると
『よし!町に行くか!』
「うん!」
二人は手を繋いで宿を出て町に向かう