第9章 Loved one〜政宗ルート
トントン
襖が叩かれる
『政宗様、飛鳥様がお見えです』
(飛鳥が?)
甲冑に身を纏った政宗が急いで外に出る
「あっ、政宗…」
甲冑を着た政宗を見て下を向く
『飛鳥、どうした?なにかあってのか?』
少し目を潤ませながら
「戦に…出るって。心配で…」
そっと飛鳥を抱き寄せる
「まっ政宗!ちょっと…」
ギュっと力を入れる
『まさかお前、俺が負けるとでも思ってんのか?』
「そんな!そんな事…ないよ…ただ心配で…怪我でもしたらって…」
腕の中でそう言う飛鳥
(あぁ…ダメだ、もう俺らしくない事はやめよう)
名前を呼び顎を取って上を向かせる
『飛鳥…俺は絶対戻って来る。怪我もしない。だから安心して待ってろ。帰ってきたらお前に伝えたい事がある』
そう言ってそっとおでこに口づけする
ビクッとしておでこに手を当てる飛鳥の顔は真っ赤になり
「あのっ…私も政宗が帰ってきたら伝えたいことがあるから…だから無事に帰ってきて?」
そっと離れると頭を撫で
『行ってくる』
飛鳥を振り返らず戦に向かった