第9章 Loved one〜政宗ルート
近くの甘味屋で団子を買い野原まで歩く
木陰に座り2人で団子を頬張る
「美味しいー!外で食べるお団子も美味しいもんだねー」
『そうだな、なかなか外で食べることはないからな』
そう言いながらそっと隣の飛鳥を見る
風でなびく長く艶のある髪
白い肌
ほのかに赤く染まる頬
思わず髪に触れる
「ん?なにか付いてた?」
振り向いた飛鳥にどきっとして思わず
『毛虫だ…』
「えっ!嫌っ!」
飛鳥が虫が嫌いなのは知っていた
そう言ってこっちに抱きついてくれるのではないかと少し期待して言った言葉だったが、まさか本当に抱きついて来るとは思わなかった
『嘘だよ、騙されたな?』
抱きついてる飛鳥を見下ろしてニヤっと笑う
「もうっ!政宗の意地悪!知らないんだから!」
ぷくっと頬を膨らませ口を尖らせた
どうしようもなく可愛い
口の端にみたらし団子のタレが付いてるのを見つけると
ぺろっと舌で舐めとる
「んっな!まっ!政宗!」
真っ赤になった飛鳥は政宗の肩をポカポカ叩く
このまま連れ去りたい
そんな気持ちを振りほどき
『悪い悪い、そんなに怒るなって』
「あんまりからかわないでよ…期待しちゃうじゃん」
消え入りそうな声が響く
(えっ…今なんて…?)
『飛鳥…』
政宗がさっきの言葉を聞き返そうと声をかけるものの
「ほら!秀吉さん心配しちゃうし、そろそろ戻らないと」
慌てて立ち上がり着物を叩く
『あっ、あぁ…』
政宗らしからぬ返事をして城に向かって歩き出す
ふたたび手を繋いで…