第48章 夢幻
「いつもの様に朝送り出したの…そしたら仕事で事故に巻き込まれたって…急いで大和の所に行ったんだけど…目を覚ました大和は…私を忘れていたんです。それで私から離れて行ったんです。」
海難事故の任務に向かった大和は巻き込まれ一命は取り留めたけど記憶を失い、飛鳥から離れていった。
飛鳥の記憶だけ抜けていたのだ。
「気持ちの整理はついてると思ってたんだけど…ダメだったんだね…そこに付け込まれちゃったんだど思う…皆んなを巻き込んでごめんなさい。」
やっと話しきると頭を下げる。
『飛鳥頭を上げろ』
光秀に言われた頭を上げる
『大丈夫だ…よく話してくれたな』
優しく微笑んでくれる秀吉
『じゃぁ美味いもん作るから食べて体力戻そうな!』
ニカっと笑ってくれる政宗
『その前に寝かせてください。寝不足』
政宗を睨みながらもそっと微笑んでくれる家康
『早く元気になって甘味を食べに参りましょう』
エンジェルスマイルで言ってくれる三成
隣で優しく肩を抱いてくれる信長
「本当に…ごめんなさい」
安堵して、プツリと意識が飛んだ。
目が覚めると隣には信長様が居て、頭を撫でられていた。
『起きたか?』
「あの…すいません」
外は明るくて、開かれた襖からは心地よい風が部屋の中に流れ込む。
『よく寝れた様だな…』
「はい。夢も見ませんでした」
そっと抱きしめられ
『良かった…』
そう言って部屋を出て行かれた。
その後は大変だった。
部屋になだれ込む様に家康、秀吉さん、政宗が来て、治療やご飯を食べさせられて…
驚いたのは三日も寝続けた事。
歩ける様になったのも十日ほど経ってからだった。
「三成くん!」
『飛鳥様!お加減はよろしいのですか?』
書庫にいる三成を尋ねると、慌てて椅子を出してくれた。
「うん!もう大丈夫!あのね?」
こっそり耳打ちすると
『はい!では皆様に伝えて来ますね』
「よろしくね!」
自室に戻るとぞろぞろ秀吉達にが集まってくる。
『お連れしました』
「ありがとう!皆んな座って?」
皆んなを縁側に座らせると、信長様も縁側に来てくれる。
「信長様!どうぞ」
一人一人にお茶を配って用意した机にお団子を並べる