第48章 夢幻
三成は呪術を解く方法を書庫で探す。
平安時代から会った祈祷。
昨日広間で話してから三成はずっとここにいた。
『なるほど…これはかなり厄介です…』
いくつかの書物を持ち書庫を出た。
政宗は料理場で昼餉を作る。
食べているのに痩せ続ける飛鳥…
食べ易く回復力がある物をと、朝から用意をして飛鳥の部屋に持っていく。
『ほら飛鳥、今日は俺が昼餉作ったから残さず食えよ!』
飛鳥は食欲が無くなってるわけではなく、いつも通り完食する。
『飛鳥入るよ』
家康が部屋に来て傷の手当てをする。
毎日傷薬を塗るがむしろ悪化してるようだった。
だが飛鳥には治ってるように見えているらしい。
秀吉飛鳥の部屋が見渡せる向かいの部屋に陣取って監視する。
飛鳥にバレない様に襖を少しだけ開け、政務をしながら見つめるが、城の中でおかしな行動をする事なく、その日も飛鳥は就寝した。
飛鳥が寝静まった頃。
広間に集まってる面々。
『飛鳥は』
信長の問いに
『部屋で寝ております。一日中見ておりましたがおかしな行動は一切御座いませんでした。』
秀吉を筆頭に一日中の報告をする。
光秀が放った忍の報告では飛鳥が帰った後、祈祷師は民と同じ服装に着替え廃民家から出ると食事をし、また廃民家に戻る。
その後正装して結界の中で祈祷を始め出すと、祈祷師の肉体が若返ったかの様に見えたと…。
政宗が作った昼餉、夕餉はキレイに完食したが、明らかに体力が落ちている。
食事が終わるまでの時間がいつもの倍以上かかってる。
飛鳥自身は体力が落ちてる事に少しも気付いてなかった。
家康も傷の手当てに行ったが傷は悪化し、だが本人は完治してると思ってる。
足の指の間は膿が出て普通なら歩くのも辛いはずだ。
『そうか…三成』