第5章 Important person〜それぞれの想い
しばらくすると
「んっ…」
飛鳥が目覚め
『飛鳥…起きたか?』
傷を抑えながら身体を起こす
『横になっていろ。起きなくてもいい…』
近寄ると
「うん…でも大丈夫だよ…そんなに痛みは無いから」
そんなはずは無かった。
刀傷は深い
だが気丈にそう言う
『薬飲まなきゃな…その前に少しでも何か食べろ』
「うん…」
秀吉は家康と政宗に伝える
政宗は台所で飛鳥が食べれそうなものを作り、家康は薬箱を持って部屋に行く
『飛鳥今政宗さんが食事持って来るから食べてこれを飲んで?』
家康が薬を渡す
政宗が粥を持って部屋に入る
『飛鳥…粥を作ったから食べろ』
そう言って一掬いして飛鳥の口に持って行く
それを二口、三口食べる
「政宗…ごめんね…でもお腹いっぱい…」
あんなに自分の料理を残さず美味そうに食べていた飛鳥
申し訳なさそうにそれ以上口に入れれない
飲み込めない
『あぁ大丈夫だ。薬飲んで横になれよ』
膳を持って部屋を出る
殆ど残る膳を見つめ政宗は目を潤ませる
家康は飛鳥に薬を飲ませ
『秀吉さんはここで…?』
『あぁもう少しここで飛鳥を見てるよ…』