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【イケメン戦国】誘惑の華

第48章 夢幻




『飛鳥』

ハッとして顔を上げると信長が隣に座る。

『怪我をしたらしいな』
「はい…」

思わず下を向くと顎を掬われて見つめられる

『目が…腫れておる』

優しく目元をなぞる

「っ…」

『また夢を見たのか…』

そう聞かれて頷くのがやっとだった。
しばらく二人共、口を開かず夜空を見る…

「信長様は…いつも早起きですね…」

信長は飛鳥の頭を撫でる
ゆっくり顔を見上げると

『貴様が眠らぬ…だから眠らん』
「ふふっ、じゃぁ私が寝たら、信長様も寝てくれますか?」

ふっと笑って立ち上がりながら

『考えてやらんでもないな…』

そう言って天守に戻って行く。


(信長様…すいません…)

信長なりの優しさに有り難さを感じながら部屋に戻る



どうしても確かめたい…
本当に大和だったのか…


城の中が慌ただしくなってきた朝、飛鳥は城を抜け出した。



城下に出ると朝でも人が溢れ露店には新鮮な野菜が並ぶ。

『あっ、飛鳥様おはようございます』

街行く人が挨拶してくれる暖かい街。

昨日大和を見た場所まで来て脚を止める。

(確か…ここに居たはず…)

見つからないのはわかっていた。
だけど、もしかしたら…
そう思い辺りをキョロキョロ見渡す。

会ったら話したい事が沢山ある。
言えなかった言葉が沢山ある。


でも…大和はそこには居ない…


飛鳥が諦めかけたその時、名前を呼ばれる。



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