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【イケメン戦国】誘惑の華

第42章 夜も日も明けない〜家康〜




何度目かの解毒薬を飲ませる。

『飛鳥目を覚ましてよ』

そう話しかけても、飛鳥は返事をしてくれない。

飛鳥の手を握りながら頭に浮かぶのは、あのふにゃっとした笑顔。

初めは危なっかしくてすぐ怪我をする飛鳥を、ただめんどくさいと思ってた。

そのうち放っておけなくなって、気付いたら目が離せなくて、他の男と話してるとイライラして…

気付いたら好きになっていた。

気持ちが通じて、どんどん好きになって、手離したくなくて、側に居たくて…

飛鳥が居なくなったら生きていけないとさえ思う。

こんな天邪鬼を懲りもせず好きで居てくれる飛鳥が愛おしくて…

『飛鳥…俺を…1人にしないで』

優しく優しく握った手を撫でる

『起きたら甘味を食べに行こう』
『俺に羽織作って』
『祝言挙げるんでしょ』
『三河に帰って沢山子を作るろう』


いつか飛鳥と話したやりたい事や夢を語りかける。

『飛鳥…愛してる』

その夜、家康は飛鳥の手を離さなかった。





ーーーーーー
飛鳥…
飛鳥………

誰かが呼んでる。
誰?

飛鳥…

わかんないよ…
ーーーーーー

夜が明けてしまう

『飛鳥…目を覚まして』

空が白み始める頃、飛鳥の名前を呼ぶ家康の声はどんどん大きな声になっていく。

目を覚まさなかったら…

か細いながら脈も息もある。

『飛鳥頑張って…戻ってきて』

髪を梳き、頬を撫でる

『飛鳥…飛鳥!』

ーーーーーー

飛鳥…


家康…?

どこ?


飛鳥…

私、ここだよ

ーーーーーー

『飛鳥…!ねぇ、飛鳥!』

目を覚まさなきゃ、もう話せなくなってしまう。

『飛鳥!』

居ても立っても居られない。

叫び続ける声がこだまする部屋に秀吉が入る

『家康…』

『秀吉さん…飛鳥…目を覚まさないんです…このままだと…』

涙で潤む目が秀吉に訴える

『飛鳥…起きろ…飛鳥!』

『飛鳥!』

秀吉も飛鳥の傍に座り呼びかける


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