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【イケメン戦国】誘惑の華

第42章 夜も日も明けない〜家康〜




その頃凛は家康と飛鳥の膳を用意していた。

薬部屋から拝借して作った薬を、飛鳥の膳にだけ入れる。

もちろん少量づつ。

今、突然倒れられては怪しまれる。
徐々に薬を入れ、家康達が大名と戦をしている頃に飛鳥を葬れる様に…

膳を持ち飛鳥の部屋を訪れる



『飛鳥様、夕餉をお持ちいたしました。』
「あっ、ありがとう!」

襖が開かれるといつもは気が張っている家康の表情は柔らかく、熱を帯びた目は飛鳥を見つめている。

膳を間違えない様に置き部屋を出た。

(あんな目は見たことがないわ…でも、あと少しで…あの目は私を見るの…)

顔が綻ぶのを抑え、凛は仕事に戻った。



「いただきます!」

手を合わせ夕餉を食べ始める。

「どれくらいで戻ってくるの?」
『東側だから、そう掛からないと思う。勢力もたかが知れてるし。十日も掛からないで戻るよ。』

いつも通り夕餉を食べてる家康。

(みんな怪我しないで帰って来てくれればいいんだけどな…家康がいるから大丈夫だと思うけど…)

戦のない時代に生まれた飛鳥は、やはり不安で仕方なくなる。

『そんな顔しなくても平気。』
「うん」

ついつい顔に出てしまう。

(信長様も皆んなもいるし、大丈夫だよね…お城には秀吉さんも残ってくれるし。)

『早く食べて湯浴み行ってきなよ』

その言葉に急いで残りを食べる。

汁物を口に入れた瞬間

ピリッ

一瞬舌に刺激を感じる

(ん?家康の唐辛子入っちゃったかな…)

特に気にすることもなく夕餉を食べ終わり、湯殿に向かった。

湯に浸かりしばらく会えなくなる家康を思う。

(今日はいっぱい甘えておこう…)


その日、飛鳥は家康に抱きついたまま眠りについた。

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