第36章 生涯共に…〜政宗〜
『あぁ〜ら?お姫様じゃない?政宗から成実に乗り換えたの〜?』
(ここで会ったか…)
「あっ、愛姫さん…」
耳と尻尾が垂れ下がってる子犬の様に小さくなる飛鳥を背中に隠す
『飛鳥…行こうか』
早くその場を離れないと…そう思って手を引いたものの、目の前に愛姫が立ちふさがる。
『どうして逃げようとするの?政宗と恋仲なんでしょ?私、お姫様より政宗の事知ってるわよ?お姫様は政宗の事何も知らないくせに。貴方のことなんて、きっと遊びよ?』
飛鳥と繋いだ手がピクリとする
「それって…」
挑発に反応した飛鳥を愛姫は見逃さない
『ふふっ、まぁ貴方より政宗の事知ってるし、貴方に政宗は渡さないわ』
煽って笑いながら去って行く愛姫…
(ありゃ…本気だな…)
『飛鳥?あいつの言ってる事気にするなよ?政宗は飛鳥が大事だから、奥州に連れてきたんだし、俺に護衛を任せたんだ。安心しろよ?』
なるべく安心させる様に優しく言う
「うん…でも、愛姫さんやっぱり本気だよね…同じ女だからよくわかる…」
圧倒されてる飛鳥を早く城に連れて帰るために、少し急ぎ目に手を引いた。