第36章 生涯共に…〜政宗〜
城門の前まで来るとスラッとした秀吉さんみたいな人が政宗に近づいてくる
『小十郎帰ったぞ』
小十郎と呼ばれたその人は優しそうな眼差しで
『御無事の御帰還誠に喜ばしい…』
そこまで言って小十郎さんの後ろからくる人に止められる
『小十郎堅苦しい!政宗!よく戻ってきたな』
今度は三成くんの様な人がニコニコしながら近寄ってくる
『成実』
二人の近くて馬をおりて預けると、手を取られて連れて行かれる
『二人とも久しいな!変わりはないか?』
政宗も嬉しそうに話しかける
(小十郎さんはお兄ちゃんみたいだなぁ…成実さんは三成くんみたい…)
三人の会話をぼぉーっと聞いていると政宗に肩を叩かれる
『飛鳥?こっちは家臣の小十郎で、こっちが成実。で、こいつが飛鳥』
『飛鳥様よろしくお願い致します』
『飛鳥か!よろしくな』
(あっ、でも性格は小十郎さんは三成くんみたいで、成実さんは政宗そっくり…)
「飛鳥です。よろしくお願いします」
二人に挨拶して城の中を案内してもらう
『こちらが飛鳥様のお部屋になります』
そう言って案内してもらったお部屋は安土と同じくらい落ち着く様な空間になってた
「ありがとうございます。すごく…」
『いや、飛鳥の部屋は俺と同じでいい』
政宗は恥ずかしげもなくそう告げると、小十郎さんがびっくりした顔で立ち尽くす
「あのっ、政宗?せっかく用意してもらったのに…」
手間をかけさせて用意してもらったのにと、政宗を見つめるが、
『俺と離れて寝るつもりか?違うだろ?』
そう言われてしまうと嬉しくて頷く事しか出来なかった。
『わかりました。飛鳥様お疲れでは御座いますでしょうが、今宵は宴のご用意が出来ております。是非ご出席を…』
そう言ってニッコリと微笑む小十郎さんに釣られて飛鳥も微笑む
「はい!ありがとうございます。出席させていただきます」
『じゃぁ飛鳥部屋行くぞ』
小十郎さんに頭を下げて政宗の部屋に向かった