第36章 生涯共に…〜政宗〜
信長様にお許しをもらって数日後、政宗と飛鳥は奥州に行くため安土を発つ。
『飛鳥、知らない人には…』
「ついて行かない!」
定番の挨拶を秀吉さんとかわし
『これ、傷薬だから』
「ありがとう!」
家康特製の傷薬を貰い
『飛鳥様お帰りお待ちしておりますね』
安定のエンジェルスマイルに癒され
『くっくっ、迷子になるなよ』
「なっ、なりません!」
光秀さんにからかわれ
『これを持って行け』
そう言って短刀を渡される
『信長様…これは薬研藤四郎では…』
秀吉が驚いているが飛鳥は首を傾ける
『何かあればこれを使え。貴様を守る』
「はい。大切にします」
信長が自らの刀を手渡すほど、飛鳥を大切に思っている証。
丁寧に懐にしまう
『言って参ります。飛鳥…』
そう言って政宗が馬上から差し伸べる手を掴み
「行ってきます!」
笑顔で手を振り安土を後にした。
安土を発ってから数日
飛鳥と政宗は順調に奥州に向かっていた
「ねーねー政宗ー」
『なんだ?』
馬上で前を見ながら話す
「なんかこうやって2人で遠出してると新婚旅行みたいだね」
『しんこんりょこう?』
飛鳥の後ろで首を傾げる
「えーっと、未来ではね祝言を上げた後にね、2人っきりで旅行に行くの」
『そうか』
そう言いながら目の前の飛鳥の耳元で呟く
『じゃぁ、新婚旅行どこ行くか考えとけよ』
「っ、うん」
耳元で囁かれた恥ずかしさと、政宗の口から新婚旅行のフレーズに真っ赤になりながら返事をした。
『そろそろ城下町に入るぞ』
飛鳥達が城下町に入ると青葉の民達から歓声か上がる
(政宗は地元の人に愛されてるんだなぁ…)