第4章 Important person〜戦慄
飛鳥が心を閉ざした頃
政宗達は甘味屋に着く
『飛鳥を見なかったか⁈』
秀吉の焦った声色に看板娘は
『だいぶ前に甘味を召し上がって金平糖を買って帰られましたよ?』
そう言って金平糖の瓶を指差す
『わかった』
急いで踵を返すと着た道を戻る
中ほどまで来ると林の端に巾着が落ちている
『あれは…』
反物屋から貰った巾着
林の中に目をやる
キラッと何かが光る
それを取りに林の中に入り手に取る
『秀吉!これは…金平糖だ!』
『何⁈』
そこに家康と信長が着く
『飛鳥は見つかったのか』
なるべく落ち着いた声で信長が言う
『ここでこれを…』
金平糖の瓶と巾着を受け取る信長
『この先に確か小屋があったはずです!』
三成がそう言うと
『急ごう』
いつもの家康とは違い慌てた様子で林の奥に向かう
しばらく行くと小屋の前でウロウロする武士を見つける
『俺が行く!』
政宗が目にも留まらぬ速さで見張りをねじ伏せる
入り口に近づくと
『はぁはぁ…あぁまた出るぞ…』
「んっ…」
男の息づかいと篭った声だかその声は
確かに飛鳥のものだった…