第32章 最愛の人 続〜秀吉〜 R-18
甘味屋に着くと思い思いに注文をして甘味を待つ
『相変わらず飛鳥はみたらし団子だな』
「だってみたらし団子美味しいでしょ?」
『まぁ美味いけど、俺が作った団子の方が絶対美味い!』
「政宗のも好きだけど、ここのはここので美味しいのー!」
飛鳥と政宗のやり取りを見ながら秀吉は微笑む
飛鳥と握っている手の温もり…
(俺は…幸せ者だな…)
三成がお茶をこぼしそうになるのを慌てて支える政宗
それを心配する飛鳥
小言を言いながらも手を貸す秀吉
楽しそうな笑い声に周りの民も微笑む
『秀吉…様…』
突然目の前に現れた月華
旅支度をしていた
「月華さん…」
月華を見上げる飛鳥はどこかか不安そうだったが繋いだ手に力を込める
政宗が固唾を飲んで見守る
『月華…行くのだな』
『はい…』
『お前も真に愛する人を見つけろよ?俺は後悔しないためにこの手を離さないから…』
飛鳥と繋いだ手を前に出し月華に見せる
「秀吉さん…」
月華はそれをみると一礼して旅立って行った
三成はそのやり取りを見てニコニコしながら、とんでもなく場違いな言葉を発する
『とても綺麗な人でしたね。あっ、でも飛鳥様の方が私は可愛らしくて好きですけどね』
政宗と秀吉は三成を見やり警戒した
(此奴も…危険だな)
そんな中の美味しそうに飛鳥はみたらし団子を頬張っていた…
城下を堪能して政宗達と別れ御殿に帰る
湯浴みを済ませて秀吉が部屋に戻るとニコニコした飛鳥が自分のまえの畳をトントンと叩き、ここに座れと促す
素直に飛鳥の前に座ると
「逆!後ろ向いて」
そう言って後ろを向かせられる
頭にふわっと何かが被さるとそっと髪を撫でられる
「いつも秀吉さんにしてもらってるから…今日は私がするの」
布で濡れた髪を拭かされる
『そうか…ありがとな』
甘やかそうと想っていたら、逆に飛鳥に甘やかされる
髪を綺麗に乾かし、櫛で整えてもらう
物凄く心地がいい…
「はい!出来上がり」