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【イケメン戦国】誘惑の華

第30章 最愛の人〜秀吉〜



「はぁ…」

(結局、あんまり寝れなかった…)

起きてからも秀吉は時折考え事をしてる様だが、月華の名前が口から出る事は無い。

飛鳥もなるべく気にしない様に、いつもと変わらず接する様にした。

『飛鳥?』

「ん?」

『少し城に行ってくる』

そう行って秀吉が御殿を後にする。

飛鳥は気晴らしに城下に行く事にした。


ふらふらと城下を歩いていると、目の前に人だかり…

(秀吉さん?でも、城に行くって…)

『飛鳥!』

名前を呼んだのは政宗だった。

「政宗?」

『今日は姫と逢引だからな!お前らまたな』

そう言って人だかりを掻き分け政宗が飛鳥の手を取る。

『姫様は羨ましいわ〜』
『昨日は秀吉様とご一緒してましたもんね〜』
『政宗様次は絶対よ〜』

女子達の声に政宗は繋いだ手を見せつける様にして

『姫がヤキモチ焼くからな!じゃぁな』

そう言って歩き出す

「政宗?良かったの?女の子達放っておいて…」
『あぁ?飛鳥が最優先だからな!』

人目を気にすることなく言うと繋いでない方の手で頭をワシャっと撫でられる

「政宗も…モテるんだね」

『もてる?俺は秀吉ほど人たらしじゃねぇーよ』


「ふふっ、うん」

思わず笑ってしまった。

『おっ?やっと笑ったな』

言われて見上げれば優しく微笑んでいる

「私、笑えてなかった?」

ちゃんと笑っている様にしていたのに…

『俺が気付かないと思ってたか?どうした?何かあったんだろ?』

(秀吉さんには何も言われなかったな…一緒に居るのに…)

『飛鳥様…?』

ふと呼ばれて振り返るとそこには月華がいた

「あっ、月華さん…」

(やっぱりキレイな人…)

『こんにちは。お隣は伊達様ですね?』

『あぁ』

丁寧に挨拶されて、慌てて飛鳥も頭を下げる

『今日は秀吉様とは御一緒ではないのですね』

少し切なげに呟く月華を見て胸がチクっとする

「秀吉さんは今日はお城に…」

『そうですか…』

月華は丁寧に頭を下げて人ごみに消えた


『飛鳥甘味食べに行こう!美味いところ見つけたんだ』

「あっ…うん」

政宗に手を引かれ甘味屋に行く

(月華さん…秀吉さんの事になると、どうしてあんなに切ない目をするんだろ…)
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