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【イケメン戦国】誘惑の華

第24章 愛惜の憂苦 〜信長〜



日々続く軍議…

それぞれが報告をしていく

安土を脅かす程ではないが、小さな芽でも潰しておかなければいかない。

飛鳥が城下に行ってから数日

未だに天守に戻るのは飛鳥が寝た後。

的確に指示を出し軍議を早めに切り上げる

「後は秀吉…貴様が指示をしろ」

信長らしからぬ発言に秀吉は驚きながらも返事をし、信長は広間を出る



無性に飛鳥に会いたい
この手に抱きたい…

信長の足は自然と早まる

(飛鳥…その声を聞きたい)

急ぎ天守に向かい襖を開ける

火鉢の側で横たわる飛鳥

『飛鳥…』

声をかけるが返事はない

近寄りそっと頬を撫でる

『っ…熱が』

飛鳥の頬は熱く、息も上がっている

すぐに褥に寝かせ、帯を緩め布団をかける

『待っておれ、今家康を呼ぶ』

優しく声をかけながらも、そこには焦りが含まれた



『ただの風邪だと思いますが…』

家康が天守の褥で横になる飛鳥の頭を布で冷やす

『そうか…』

安堵して息をつく

『季節の変わり目です。風邪もひきやすい…だけどこんなになるまで我慢するなんて。』

家康の言葉を聞き、自分に苛立つ

毎日顔を見ていた
褥で寝る飛鳥を、抱き締めて寝ていた

なのに何故体調に気づかなかったのか…

戦が近い。
心配をかけたくなかったのだろう。

だが、それに気づかなかった自分の不甲斐なさに苛立つ


荒い息で眠りにつく飛鳥を見下ろしていた




家康はそっと部屋を後にして御殿に戻ろうとした…が、城門からそっと姿を現わす影

『どうした…』

他国に潜伏させていた忍が跪き伝える

『申し上げます。敵に怪しい動き。夜明けには動き出しそうです』

『夜明け?動きが早すぎる』

踵を返し急いで城に戻る

城に戻ると秀吉を見つけ伝える
御殿に戻ってた政宗に使いを出し、三成を呼び広間に人を集める旨を伝える。

ついさっき後にした天守に戻り襖を叩く

『家康です』

『入れ』

言わずとも信長はわかっていた。
不測の事態が起きたのであろう

『先程忍から報告がありました。夜明けに動き出します』

『あぁ…広間に』

家康に伝え、眠る飛鳥を見やる

『飛鳥…行って参るぞ』

そっと口付けして天守を出た。
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