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【イケメン戦国】誘惑の華

第24章 愛惜の憂苦 〜信長〜



その日から頻繁に軍議が開かれる様になった。

だが、そこに飛鳥は出席させられてない

城にはいるものの、あちこち忙しなくしている信長は飛鳥が起きる前に褥を出て、眠った後に天守に戻る…

「今日も、もういない…」

褥の中はまだ信長の温もりがほんのり残ってはいたが、その姿はない

机の上の金平糖の瓶の中身はいつもより減りが早く信長が疲れているのが伺える。

(金平糖…終わっちゃいそうだな…買いに行ってこようかな…)

そう思い立ち褥から出て着替えを始める。

着替えを終えると声がかかる

『飛鳥?起きてるか?』

声の主は秀吉。

「うん!起きてるよ!」

襖を開けるとニッコリと微笑む秀吉が部屋に入る

飛鳥と向かい合わせて座ると

『朝餉を食べたら城下に行こうか』

突然の誘い

最近は一人でいることが多かった飛鳥は正直嬉しかった
それと同時に信長に相談もなしに行くのを悪いと思った

信長は決して飛鳥を束縛しない。
寝起きを天守でする事以外は、どこに行くのも咎めたりもしない。

押し黙っていると困った様な顔をして

『飛鳥…御屋形様に言われたんだよ。飛鳥を連れてってやってくれって…』

「信長様が?」

飛鳥は戦の話が出てから周りにはバレない様に塞ぎ込んでいた。
だが信長にはお見通しで、忙しい自分に変わって秀吉を向かわせたのだった。

(信長様にはなんでもお見通しだな…せっかくだし行ってこよう…)

その気遣いに嬉しくなり、笑顔を見せると

「うん!じゃぁお願いします!」

『よし!今日は遠慮なく甘えろよ』

秀吉に頭を撫でられると、一緒に天守を出た


朝餉を食べた後支度をして城門向かうと、すでに秀吉は待っていた

「秀吉さん!ごめん!待たせちゃった!」

小走りで向かう飛鳥だが、お約束の様に躓く。

『おっと!ったく…そんなに慌てるな。』

予想していた様に秀吉は抱きとめてくれる

「ごめんね!また転びそうになっちゃった」

えへへと笑いながら秀吉を見つめる

そんな飛鳥を腕の中にしまい沈黙する

秀吉は最近の飛鳥を心配していた…

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