第2章 無垢な少女
「……暁の光の近くに、小さな星が…」
小さな子供のそばで、俺は呟いた。
「…あの小さな星は、何だ?」
「どうかしたのか?」
俺の言葉に白い龍の子供が首を傾げる。
俺は何となくその子供に、空を見上げながら問いかけた。
「あの暁の光の近くにある小さな光、見えるか?」
「?…あぁ、優しい光だな」
「そうだな」
子供は穏やかに笑う。
どうやら俺だけではないらしい。
緋龍の星の近くにあるからだと思ったが、それとは関係なく優しい光の小さい星。
「…なんか、良いことが起こる気がするな」
ふはっ、と笑いながら俺…黄龍であるゼノは白い龍の子供の頭を撫でた。