第8章 散り際
直三は、敵軍に剣をかすることもなく
敵からの弓矢にさされ死んでしまった。
高行軍はあっとうてきな、敵軍の兵力にあっけなくやられた。
上皇は山奥へ逃げおおせ、
敵軍の大将が将軍となり ついに武士が納める
世の中となった。
直三は弓矢でいぬかれたあと、敵軍に
踏まれ 少し残っていた命を失った。
千長の戦いから、逃げたことを
初めは後悔した。
でも高行様の為に
千長の時より少ない人数で壁となれたことは 死ぬ瞬間 男と生まれ誉であったと
直三は嬉しくおもった。
たとえ 自分が危険な道を選んだことで
しん太の運命は変えられないかもしれない。
でも、一時はしん太の父親のつもりでいた
自分の立派な背中を
直三はしん太にみせたかった。