第5章 崩壊
Nside
髪をすかれる感覚がして目が覚めた。
「あ…ごめん、起こした?」
ドアップの潤くんの顔。
…いつの間にか潤くんの肩を借りちゃってたみたい///
空いていたはずの隣の椅子に腰掛けて、とてつもなく優しい顔で俺の顔を覗き込む。
「う、ううん…ご、ごめんね潤くん。
動けなかったでしょ…?///
体冷えてない?もう、僕なんかにかけないで、怪我人なんだから自分の体を労ってくださいよ…///」
付き合いだしてからは、いつだって俺にベタ甘の潤くん。
僕の肩には毛布をかけといて、自分はパジャマ一枚でジッとしてるんだから…///
「ほら、早くベッド戻って…」
潤くんの手を引くと、そのまま俺も引っ張られてボスッとベッドに腰掛けていた。
手首をグッと掴まれて、超至近距離の綺麗な顔。
「和。あのさ…
…リーダーと、何かあったの?」
ドクン、と心臓を鷲掴まれたようだった。
真剣な顔で、俺の目を見つめる潤くん。
…覗きこまれてるような気がして、心臓が早鐘を打つ。
「…ううん。
なんにも、ないよ
どうして?」
自分が嫌になる。
頭ん中どんなにぐちゃぐちゃでも、俺ってさ、平然と嘘をつけてしまう人間。
…俺って、ほんとに汚いやつ。