第5章 崩壊
Oside
「ん……」
朝、眩しい光によって起こされた。
昨晩、閉め忘れたカーテンのせいでもろに俺に直撃していたらしい。
よいしょと起き上がろうとして、腕の重みに気づく。
…隣には愛しい寝顔。思わず顔が綻んだ。
スースーと寝息を立てる姿は幼くて、とても昨日の妖艶な姿なんて想像もできないほどだ。
「ふぁ……いま、何時だ…」
俺は今日はもともと休みだし、ニノも午後からだったはず。
ベッドの下に落下していた携帯を何とか拾い上げた。
できるだけニノを起こさないように、片手で操作する。
時間を見ようと落としていた電源をいれて、驚いた。
「うぉっ…何だこりゃ…」
画面いっぱいにマネージャーからの電話、電話、電話…
昨日の夜から今朝方10分前くらいまで、尋常じゃない着信が延々と表示されている。
時々、メンバーからの不在着信も入っている。
嫌な予感が、した。
マネージャーだけならともかく、メンバーからこんなに連絡が入ることなんてまずない。
しかも定期的にずっと、だ。
何とか腕からそっとニノの頭を下ろして寝室を出た。
すぐにマネージャーに掛け直す
プル
「もしもし大野さんっ!?やっと電話繋がった…!!
今まで何してたんですか!?今すぐ来てください!」
ワンコールと待たずに即行で出たマネ。
ものすごい剣幕で喋り立てるが、全くなんのことか覚えがない。
「いや、ちょ…どうしたの?」
「メール見てないんですかっ!?
松本さんが、トラックに轢かれて…っ!!」