• テキストサイズ

Foll【気象系BL】

第4章 狂いだす


Oside

「はよーございます…」




「おはよ…」




眠たそうな声と共に開いたドア

大して見てもいなかった雑誌なのに、そこから顔を上げられない



…どうしてもついこないだのあの風景が、松潤の声が頭をよぎってしまった。





ポスッとソファの片側がへこんで、少しだけ体が傾く。




…ちょっと昔ならそのまま俺にもたれかかってたのに





前は当然のようにあった温もりがないのが、寂しい

…けど、それもちょっと慣れてきてしまっているのが虚しかった



カチャカチャと目線の端にうつるクリームパンみたいな手が、もう何年使ってんだっていう年季の入ったバックからゲーム機を取り出す。


…それを確認してから、チラッと見上げた横顔は画面の中を集中して見つめてる。






…目、赤いな


昨日、泣いたんだろうか






…松潤が泣かせたのかな






なんて考えてしまって、またあの虚無感に襲われる


…すきなら、泣かせんな


そう思ってしまう。






ニノが松潤のために、誰か他のやつのために泣いたんだと思うと、心ん中に黒いモヤモヤがじわじわと広がった。

…別にニノは俺のもんじゃないのに。



そんなこと思う権利は、…俺にはない。
/ 76ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp