第1章 始まり
oside
しやがれの収録上がり、今日も2人、肩がぶつかり合うほどの距離で一番に楽屋に戻る。
途中、前からやってきた売れっ子の俳優さん。今日の収録のゲストさん。
「あ、大野さん!今日はお疲れ様でした!
ふふっ笑 やっぱ、ニノと仲がイイんですねぇ笑」
「んふふっ笑 羨ましいだろー??」
俺が慌てて答える前に、勝手に答えた和の甘い声。
俺は黙ったまま、楽しげに話し続ける2人。
…親しげにニノ、と呼ぶ俳優さんと、それに嬉しそうに返すニノが俺は全然面白くなかった
「あ!そーいえば、ニノと、この間一緒なったんですけど…
メンバーの皆さんの話ばっかして、特に大野さんの話なんてそりゃもうニッコニコしてイジり倒してましたよ!!笑笑」
仲良しな2人に不機嫌……だったはずだったのに、イケメンの俳優さんからポロリと漏れたソレだけで、一気に俺はご機嫌になってしまった。
「え〜??そんなこと、俺話してた??」
そう言って、クフクフと口元を手で隠すニノの顔はしっかり赤く染まってて…可愛くて可愛くて仕方ない
こんにゃろ、と形ばかりのヘッドロックを決めて、もう俺の機嫌なんて最高潮。
俺がいないとこでも、俺のこと思い出してくれてるってだけで、俺ってやっぱりお前のお気に入りって満足する。
そんで嬉しそうにメンバーの、俺の話をするニノが想像できて胸がキュウッとした。
…そんな俺を、後ろから静かに見てた存在がいたなんて、全く気付かなかった。