第2章 寮生活ひと月め☆
片付けも終わり、とりあえず洋服をハンガーにひっかけていると、臨時修復したドアからノックの音が聞こえた。
「はい?」
開けるとそこには山崎さんともう一人目つきの悪いお兄さんが立っていた。
「ここのアパート、お風呂ないからさ、これから銭湯にいくんだけど、一緒に行かない?」
と誘ってくれた。
そういえばお風呂の存在を忘れていた。
ありがたく、ついていくことにした。
「あの、先ほどは、どうも。
宮部と申します。よろしくおねがいします」
「土方十四郎だ。
寮母にしちゃあ若いな...」
さっきは必死で気づかなかったけど、土方さん超絶イケメンだった。
イケメンなんてさ、テレビでしか見たことないから思わずマジマジとみてしまった。
だってさ、下々のモノ(私を含めてさ!)とオーラがもう違うのよ!
「宮部さん、土方さんイケメンだよね!この前男子校なのに靴箱にラブレター入ってて、超びっくりした」
「うわぁ。本当にあるんだ、そういうの…って男子校ってことはアレですよね」
「アレだね」
二人でにやにや話していると、
「アレってなんだよ!殺すぞ山崎!
しかも手紙は全部女からだったわ!」
他校の子に頼まれた哀れな男子校生が土方さんの下駄箱に入れたそうです。えらいなぁ。ともすればなんか変な容疑をかけられてしまうというのに。
「そうなんですか?銀玉学園の人気投票で沖田さんと並んで同率一位だった人だから、やっぱり一枚くらいもらってるのかと思いました」
そんなんあるのか…
大学のミスコンテストみたいなヤツか?(ちょっとちがう)
「…その話はもういい」
少しなにか考えた後、それだけ言ってそっぽを向いてしまった。
男からももらったことありそう。
「あ、あの、私ちょっと準備してきますんで!すぐ行きますのでアパートの下でお待ちください」
そう言ってドアを閉めて急いでバスタオルをダンボールから探した。