第1章 出会い
そして今度こそ、教室を出ようと靴を履いていると
「今日で最後だし、家の近くまで送ってくいくよ」
と、教室の鍵を握りしめた中先生が走り寄ってきた
「え、そんなことしていいの??」
と聞くと
「塾長もいないし、戸締りしっかりしてたら大丈夫」
と言い、先生と一緒に教室を出た
塾から私の家までは歩いて15分程
湿っぽくならないように、お互い楽しい話をするように心掛けていた気がする
先生と歩いてるこの時間がずっと続けばいいのに…
そう思っていると、自然と歩くスピードが落ちる
そんな私の様子を見て、私の歩くスピードに合わせてくれる中先生
そして、この角を曲がると私の家に着くという所まで来た
「もうここでいいよ、ありがとう」
と、私が先生に言うと
「わかった。短い間だったけど、こっちこそありがとう」
中先生は私に笑顔でそう言った
ここまで送ってくれただけでも有難く、これ以上引き止めるのは申し訳ないと思い
寂しさを我慢し、その言葉で先生とは別れた
私は中先生のことが好き
その自覚はしっかりあった
今まで出会ってきた「先生」とは、違う
こんなにも生徒想いで、熱心で、優しくて、頼りがいがある先生、初めて出会った
だから私は先生に対して、1人の男性ではなく
ただの1人の先生として、身近な頼れる大人として、中先生のことが大好きだった
この頃は、ね…