【名探偵コナン】生まれ変わったら新一の姉でした。2
第16章 〜純黒の悪夢〜
───第三者side
とある日の晩。警察庁での出来事。
庁内にあるサーバールームで、黒いスーツに身を包んだ女性がモニターのデータをスクロールしていた。
それは、ノックリスト。
ノックリストを見た彼女は、次にポケットから出したカラーの単語帳のようなものを取り出した。
と、その時だった。サーバールームの扉が開いて、風見を始めとする数人の公安警察が乗り込んできた
風見「そこまでだ。机から離れてを上げろ」
?「……ふっ」
女は、言われた通りにしながらも小馬鹿にするように鼻で笑う。その直後、素早い動きで公安の人間の間合いに入り、手刀を打つ。そして開けられっぱなしだった扉から廊下に飛び出し、逃走を図る
しかし、廊下を進んだ先には陰に潜んで降谷が待ち構えていた
2人は顔を合わせると、戦闘に入る。互いに体術を用いたほぼ互角の戦い。降谷の拳も女の蹴りも、相手は難なく防いでいく。そんななか、降谷の拳が女の頭部に直撃した。その衝撃で、彼女の目からコンタクトが片方外れた
?「ふふふ…」
降谷「?!」
風見「降谷さん。伏せて!」
女の姿が窓から差し込む光で、不気味に笑う女の青い瞳が露わになる。それに目を見開く降谷の後ろから、女を追いかけた風見が拳銃を構えて立った
けれど女は笑みを崩さない。なんと、女はそのままガラスを破って窓から飛び降りた。女はそばの木に飛び込み、国旗を掲げる柱に飛び移って滑り降りた
その様子を、駐車場の車の中から見ていた人物がいた。椎奈だ。彼女は窓の外を鋭い目で見つめながら、トランシーバーに声をかけた
椎奈「…組織の人間が警察庁から抜け出しました。各自追跡を始めてください」
『『了解』』
聞こえたのは複数の男性の声。トランシーバーはすぐに電源を切り、次いで椎奈はシートベルトを締めた。それと同時に運転席のドアが開き、降谷が乗り込んでくる
降谷「椎奈、あの女はどっちに行った?!」
椎奈「警察庁を出て左折したよ。既にみんなに連絡して追跡してもらってる」
降谷「分かった。じゃあ荒い運転になってるから捕まってろ」
すでにエンジンをかけた降谷は、その言葉の直後に車を走らせた