【名探偵コナン】生まれ変わったら新一の姉でした。2
第15章 〜安室に忍び寄る影〜
───退院から数日後
狙撃事件が幕を下ろし、日本に平穏が戻ったある日。
晴天の都会で、露出もそこそこな涼しげな服を着てポアロを目指してのんびりと歩く。
撃たれた肩に痕も無く、本日の仕事にも支障はなかった。ポアロに着くと、いつものごとくユキを外で解放して自分だけ中に入った
するとやはりいつもの営業スマイルが迎えてくれた
安室「いらっしゃいませ! 椎奈、今日もカウンターで?」
椎奈「はい。注文はハムサンドと紅茶で」
安室「分かりました」
慣れた動作でオーダーを出しながら、安室さんがよく見える真ん中の椅子に座った。するとその時に視界の端に気がかりな男のお客さんを見つけ、前を向きながらも視線をチラリと後ろに向ける
椎奈「(…なんだろ、あの人。カウンターの方ガン見してる…)」
しかも、ただガン見してるんじゃない。睨みつけるように、見逃さないように、観察するような目でただひたすらカウンターを……正確には安室さんを見ていた
けれども、安室さんは気づかないはずないのにまるで気にしていない様子で手早くサンドイッチを作り上げている。そして最後に紅茶をカップに注ぐと私の前に並べてくれた
安室「お待たせしました」
椎奈「ありがとうございます!」
さっそくサンドイッチにかぶりつく。出来立てでフワフワ、あったかい味わいに一口目で既に頬も緩む。安室さんに見守られながらむしゃむしゃと食べ進めていってると、不意に後ろの方でガタリと音がした
どうやら例のお客さんが帰るらしい。梓さんがレジを担当し、お客さんが帰っていくと彼女はそのまま外に出た
その一連の様子をじっと眺めていた私は、さっきのお客さんがいた机から回収したお皿を洗い始めた安室さん───今は降谷さんを見る
椎奈「…今のお客さん、すっごく怪しいね」
降谷「まぁね。…でも、彼は一般人だよ」
椎奈「そうなの?」
降谷「ああ」
彼がそう言うなら、そうなんだろう。彼が危険を察知したなら、すぐにでも行動を起こすはず。そう結論づけ、私はまたパクリとサンドイッチを頬張った
すると、チリンとドアベルがなり、新しいお客さんが現れる。それは、よく知る子供だった
?「安室さん!!」
ランドセルを背負ったおそらく学校帰りのコナンくんだ