【名探偵コナン】生まれ変わったら新一の姉でした。2
第14章 〜異次元の狙撃手(スナイパー)〜
降谷「だが証拠がない…。現場を抑えるしかないってことか」
村田「だったら、俺の出番か…」
そう言って村田は離れた場所にある棚に立てかけられたベースのケースに歩み寄った。そしてテーブルにケースを置いて中を開くと、中にはスコッチ時代愛用のライフルが収まっていた
それを見た捜査一課組が息を呑んだ。潜入捜査官はこんなものまで常備しないといけないのか…。
村田「…上に連絡して、使用許可を得ないとな」
降谷「それは俺に任せてくれ。いつ指示が来てもいいようにそれを持ち歩いておけよ?」
村田「ああ…」
ライフルにそっと手を添え、村田はただ頷いた
*
翌朝。浅草病院。
1人用の個室でずっと眠ったままでいた椎奈が不意に瞼をピクリと動かし、そっと目を覚ました
椎奈「え…」
どこだ、ここは。混乱した椎奈は、勢いよく体を起こす。右へ、左へ視線をさ迷わせた彼女は、自分の手元に違和感を覚えてそちらを見、目を丸くした
視線が捉えたのは自分の手を握ったままベットにうつぶせ、熟睡しきっている恋人の姿だ
椎奈「れ…安室さん…?」
安室「んっ…」
椎奈「!」
小声でその名を呼べば、安室はそれに反応し目を開いた。そして寝覚めが良いのかすぐに体を起こし私と顔を合わせると相当驚いたのか目を見開いてガシッと肩をつかんだ
安室「椎奈?! 目が覚めてたのか?!」
椎奈「えっと…うん…。おはよう?」
安室「おはようじゃないだろう! 傷は? 体は痛くないか?」
椎奈「う、うん。大丈夫。痛くない。その…心配かけてごめんなさい」
安室の気迫に圧され、戸惑いながらも聞かれたことに答えてとりあえず謝る椎奈。安室はそれを見て「良かった…」と吐息交じりに呟くとその肩をぎゅっと抱きしめた
安室「コナンくんに聞いてすごく心配した…。病院についたら手術中で、終わった後も目が覚めない…。心臓を鷲掴みにされた気分だったよ」
椎奈「…でも私はこうして無事でいる」
安室「ああ…」
椎奈の手が安心させるように安室の体を抱きしめると、安室の顔が肩から離れて正面から見つめ合う形になった