【名探偵コナン】生まれ変わったら新一の姉でした。2
第12章 〜緋色編(序章・追求)〜
しかし、私はすぐに険しい顔つきになる。見極めなければならない。この世界は、私の知るものと少し違っている
椎奈「…公安の人は、連れていくの?」
降谷「いや、連れて行かない。FBIの連中には腹が立って仕方ないが、赤井の秘密を暴くのにそこまで大ごとにする必要がない」
椎奈「そっか…」
運転で前を見ながらだが淡々と話す表情は落ち着いていて、原作が大きく変わっていることを知る。
問題は、コナンくんがバーボンに赤井さんの事件の真相を暴かれたことを知るきっかけとなる、ベルモットの変装がなかったことだ。
あれがないということは、つまりは当日の赤井さんは無防備。マスクを外せば見抜かれておしまいになる…。
私がそのことを不安になって俯いていると、隣から「大丈夫」と声が降って来る
降谷「最悪の事態になどならない。俺はただ、あいつの生死を確かめたいだけに過ぎないからな…」
椎奈「! 零さん…」
けしてこっちを見てはいないが、その声が優しく思わずホッとしてしまった。だが、その後に冷たい声で「でも、FBIは分からない」と言って彼の表情が険しくなり、雰囲気が張り詰めた
椎奈「…どういうこと?」
降谷「赤井の生存がFBIに知られていないんだ。死んだと思い込んでいる。お前という『預言者』が存在していながら、な…。そして公安に手を差し伸べながら、FBIには…赤井には手を貸さなかった。俺が探ってたのもあって赤井の生存がバレかけている。どうなる?」
椎奈「…意地でも、本当のことを知ろうとする」
降谷「そうだ。そしてお前の価値を知り、FBIはお前を利用する」
椎奈「零さん。さすがに考えすぎじゃぁ…」
いささか、過保護すぎる。その意味を込めて言えば、「どうだかな…」と呟いかれた。でも、私としては過保護でも嬉しいため小さく笑った
そして後日、彼の読みが当たることとなるのを、私はまだ知らない…───