第30章 ゲームクリア
松野『ケイトが短剣を投げた!クレハがかわす!!
即座にクローを叩きつけた!しかしケイトが再び手元へ戻るように念じていた!!咄嗟に防ぐぅ!!!
前人未到の超高速スピードバトルだあああああ!!!!
光を封じているというのになんてスピードだあああああ!!!!!
目が追いつかないいいいいい!!!!』
そう騒ぎ立てる松野により、とてつもない盛り上がりを見せていた。
松野『凄い!!物凄いです!!
解説のヒースクリフさん、どうか教えてくれませんか!?』
ヒースクリフ『彼女達のそれは、反射だよ』
松野『?それとは一体どういう?』
ヒースクリフ『ふむ。沸騰させたヤカン等の熱いものに手を触れるとパッと手をひっこめるね?』
松野『はい、それはもちろん』頷
ヒースクリフ『これは、脳の命令で行う動作ではなく、脊髄のみを介して行う行為だ。
皮膚が受けた強い刺激は情報として感覚神経を通って脊髄に入るが、ここから脳に情報を伝える過程を省略し、直接、運動神経に命令を伝えるため瞬時に手がひっこむ。
このように、脊髄で情報が折り返されることを反射というのだよ』
松野『ほうほう。つまりそれは経験故の反射だと?』
ヒースクリフ『ああ。
反射に要する時間は0.1秒以下と言われている。
すなわち反射とは、身の危険をすばやく避けるための反応だ。
感覚器から受けた情報は、脳へ伝えられ、処理されている。
ただし、情報のルートについては同じことの繰り返しだと、即座に反応として出されるまでの時間が極限まで短縮される』
松野『う~ん、簡単に話すと?』
ヒースクリフ『例えばそうだね。
冬の時に部屋に入ると寒さを皮膚が感じる、その情報が感覚神経を通って脊髄に入り、脳へと伝わる。脳では、この情報を素早く処理し、「ストーブをつけろ」という命令を出す。
この命令は、脊髄から運動神経を通って指の筋肉に伝わり、ストーブのスイッチを入れる。
だが、情報が脳を通っていると、その行動が実現に至るまでに時間がかかり過ぎる場合がある』