第30章 ゲームクリア
グリセルダはデスゲームに巻き込まれる前はグリムロックに従順だったが
デスゲーム開始以降はただ怯える彼とは「逆に」デスゲームからの脱出を志し、積極的に行動するようになった。
攻略に意識を向ける恋人に、恐れて動けない自分が情けなく見えた。
二人で話し合う時間も減った、二人きりの時間も笑い合う時間も一気に削られていき、週に1度程度しか無くなった。
守られているのを深く感じる中、自分にできることは何もないと感じてしまう。
これらの状況の変化をしんどいと感じて、ふと死のうと思った。
それらのグリムロックからの言葉を聞いた後…
黒い何かがいっぱいいっぱいになって、攻略会議時に堪らず叫んでしまった。
それが先程の言葉だ。
攻略会議に参加している人達もまた、余裕をなくしていた。
他に目を行かせることができず、目の前の攻略にとらわれて躍起になっていた。
だからこそ、私はそれによるすれ違いから護りたかった…
自分には見えているのに、見えていない振りなんて出来なかった。
自殺志願者を止める道を選んだ、その選択に悔いは無かったと言える。
結果として、一度振り返って向き合った結果
自殺志願者は悉く減っていき、不安を抱える者を支える機関も出来上がったのだから。
そうして現在、死者は非常に減ったことから
9515人が現在進行形で生存中というわけである。
クレハ「ケイト、受付の準備が終わりましたよ」
ケイト「OK。
人数が人数だから配置に手間取ったもんだよなあ」
クレハ「では受付時間を数秒過ぎたので触れ回りますよ」
ケイト「おう!ハロウィンイベント開催!!」
こんな平和な時間さえ、最初は作り出すことさえ非常に難航だった。
しかし、全員が全員とちゃんと向かい合った上でぶつかり合い
理解しあったからこそ、今という時があるのだと私は思う。