第29章 遭遇
アスナ「凄い…」
ケイト「けほっこひゅー
(息切れ…」
その瞬間、後ろへ跳躍を使って跳び様に
爆缶を2つ、一個を頭へ向けて上へ投げると同時に
もう一個を左手で鎌のある下へ投げた。
正確に言うと、1個の影に1個が隠せるよう、時間差でかかるように。
狙い通り、1つは鎌に、もう1つはボスの顔面へと当たった。
だがそれは、攻撃するための時間稼ぎ。
深く息を吸い込んだ後、両拳を握って構えた。
ケイト「跳躍、神速格闘術、合技!」
そう叫んだ直後、両足と両拳が光のエフェクトに包まれた。
両拳を握り、同時に後ろへ引く。
両拳を前へ出しながら跳躍で近付く、そして触れた瞬間に力の全てをそこ(両拳)へ集約させて貫く。
拳がボスへ当たると同時に跳躍で、反動によって後ろへ飛ばされるのを防ぐと同時に両足の跳躍の力までをも籠めた。
その一撃の名は…
ケイト「双天手(そうてんしゅ)!!」
天をも貫く双手という意でつけられているらしい。
自身の全身を一塊の拳とし、相手へと自分ごとぶつける。
それは…ボスの周囲を纏っていた炎までをも消し飛ばした。
HPバー1本の内に残ってあった僅かなHP、20分の1が文字通り消し飛んだ。
ボス「ぐううう!
ぎゃあああああああああああああああああ」
その断末魔と共に、それは消えていった。
そしてドロップアイテムであるLA獲得メッセージと共に、『Congratulations!!』の文字が華々しく散っていった。
俺達はその様子を見守ることしか出来なかった。
でもユイはどこか満足気に笑っていて、当時の俺達はその理由がわからなかった。
記憶の為なのだと、いきなり言い出したことについても。