第29章 遭遇
ちなみに、反射板もまた同様の素材でできています。
そして盾持ちの人達にも共通して、そういったものが与えられています。
そして一番の問題がどんなスキルでも内部に閉じ込めておけるという点と言いましたが
その閉じ込めておけるスキルには、光もあったのです。
《神速格闘術》、最上位移動技である光は1時間の間の体感時間を2年、つまり時間×2倍の年数にします。
つまりを言うと、それを内部に溜め込んでおくことで光をいつでも付与できるということです。
そしてそれは誰でもでき、穴を相手に向けてボタンを押せばその相手へと付与できます。
つまり、その蓄えはやった回数分だけきっちり残っているんです。
最初に物質へ光を付与したのは、光を付与した状態でなければ衝撃波が返ってくるよりも早く閉じられない為、光速で動けるようにとの思惑でした。
その思惑は当たっていたようで、100回までなら溜め込めたのです。
しかし101回ともなると閉められませんでした。
スキルが跳ね返るまでのインターバルは2秒、
その間ずっと光を付与した状態でスキルをやっているとそこまでが限界なのです、色んな意味で(体感時間にして9時間44分、理由は649ページ参照)。
正確に言うと、101回の状態で無理やり閉めたとしても
器が耐え切れず、僅か数秒で内側から爆発するのが要因です。
溜め込むのが『攻撃系スキル』の場合、一回ボタンを押すだけで溜め込まれていた衝撃全てが解放されるので注意が必要です。
器が持っていられる時間は100回分ならば30分しか持たないので、その場合は特に。
捨てる場合は圏内で花火とするか、その処理が大変なのが問題点となります。
例の器は直径8cmのストップウォッチに似た外見をしており、左開きで
全体に例の素材が合成されており、開いた状態から見て右側にスキルをぶつけた直後
再び閉めることで器内部へと閉じ込める。
そこに光を3回ほど付与した状態で閉めた後
穴を自身へ向けてボタンを押し、光が自身へ付与されているのを確認後に移動。
それを終えた後で光が解除されたのを確認。
そして再びボタンを押した所、光が再び付与されたのです。
移動系スキルではちゃんと回数分蓄積されるようで
攻略組への弁償として与えられたのは、光を100回分溜め込んだ器でした。