第29章 遭遇
その後のお詫び
『ありがとうございまーす!』
ケイト「1億コルが…
全財産の1割が吹っ飛んだ;吹っ飛んだ;塵となって消えていった;」ぐすん
クレハ「また貯めましょう」なでなで
賠償として別のケイトによる新作アイテムが普及されたのですが
それに伴う費用の出費にケイトは涙ぐみ、私はそっと頭を撫でました。
その新作アイテムとは…↓
6月初旬に新たに発見された迷宮にて、新型のトラップを発見。
その壁は、スキルを受けた後、それを丸々跳ね返すものでした。
それをケイトが《分解》で素材にばらし、どの部分がその影響を生み出しているのかを研究。
それから程なくして、スキルを反射する素材を合成で付与した盾が6月8日に出現。
敵のスキルに対し、大きなのけぞり(ノックバック)をさせる為、人気が沸騰。
それを鍛冶課が付与するという形式が取られ、盾持ちの全員へ付与された。
盾持ちではない人の為にもまた別に、直径8cmの円状の鏡にも等しい『金属板』へ合成され
非常に軽い《反射板》という新アイテムが誕生、と同時に販売されるようになりました。
後に、一つだけボタンが頂点にあるストップウォッチのような器を作り
その全体へ例の素材を合成させ、その影響を付与。
ボタンを押した後、穴が開く仕掛け動作に異常がないかを確認してから光を付与。
しかし物質自体は動かないので移動は果たしていないと判断される。
物質を別の地点へおいてもそれは解けなかった。
物質が自力で移動を果たしていないと解けることはないのだとその時点で判明。
予め素材を合成した器の内部へ向け、光を付与した状態でスキルを発動、
そして器が跳ね返すよりも早く閉めることでそれによる衝撃を閉じ込める。
するとその衝撃はいつまでも器内部へ維持されたままで
ボタンを押すとその時のみ解放され、穴の先にいたものへと射出される。
それを集約した状態で放つ為、穴は小さなものとしたそうです。
問題は一つ、どんなスキルでも内部に閉じ込めておけるという点です。
というのも、その器自体は「パワー系の金属」の中でも耐久力が最も高いものであると同時に
「衝撃吸収素材(436~438ページ参照)」とが合成し合って生み出されたものなので
SAOの中で『最も壊れにくい、最強の組み合わせのもの』なのです。